フリーランスになったときの状況(貯蓄、支出状況etc…)を公開する


最近、私の身の回りでもエンジニアの方で独立を検討している方が多くなってきたように思います。

そこで、今回は私自身がフリーランスになったときのことを記事にまとめてみようと思います。

フリーランスを検討している人に、参考ケースの一例としていただけたなら幸いです。

この記事を読むに当たって留意してほしいこと

まず大前提として理解していただきたいのは以下の2点です。

  • 究極的には、意思決定は不確実で主観的であること
  • それでもその不確実で主観的な判断の精度を上げるためにいろいろな情報を集めることには意味があるということ

意思決定はどこまでも主観的なものであるので、個々人のスキル、家庭状況、貯蓄状況、自分がどうありたいかなどによって最適な判断は異なります。

もしかしたら以下の記事の内容があなたには全くそぐわない内容であるかもしれません。

少なくとも自分の頭で考え判断してください。

これは少なくとも私が自分の頭で考え判断した「結果」を記述した記事です。

いつ独立したか

2016年2月、25歳のときに開業届を出しました。

「早すぎる」「もっと長く勤めてから独立したほうが良いのでは」という意見もたくさんいただきましたが、私個人の考えとしては逆の発想をしていました。

つまり、「万が一うまくいかなかったときにまたサラリーマンに戻ることを想定した場合、若いほうがよいだろう」という考えです。

30代で独立するとスキルも相応のものになっていると思いますが、後戻りが効かないので却ってリスクを高くする行為だと思ったのです。

もちろん失敗する気などないが、失敗したときに損失を最小化できるのはいつか?ということを考えたときに「今しかなかった」のです。

全体的な市況感

トランプ大統領就任前、仮想通貨バブル前の時期だったので日本全体の景気としては良くもなく悪くもなくといったところでした。

ただ、所々で「エンジニアが足りない!」という声は聞いていたのでエンジニアという仕事自体に需要はあり、また需要の底も固そうだと思っていました。

会社員時代にも、Spring Frameworkを用いたサーバーサイド開発を行っており、フロントもjQueryとはいえど複雑なUIをゴリゴリ書いていたのでまずいけるだろう、という感覚がありました。(他にもいろいろ触っていた技術はありますが、この記事は私のスキルを説明する記事ではないので割愛します)

なぜ新卒で入った会社の正社員を辞めたのか

いろいろあるが書ける範囲でいうと、大きな原因としては稼働が多すぎて身体を壊しました。(一度休職しています)

正直なところ、「自分はまだ若いから稼働多くてもへっちゃらだ、へっちゃらであるべきだ」という自身への過信があったと思います。

独立を決めたときの貯蓄状況

普通預金100万、定期積立預金が36万。

預金残高はあるに越したことはないが、いくらあれば100%安心というものでないですので自分のラインを設定したほうが良いと思います。

仕事が取れないとしても支出を絞って6ヶ月、少なくとも3ヶ月はキャッシュがショートしないだろうという判断をしたので、この金額で充分と踏み切りました。

支出状況

  • 奨学金の支払い残160万(月1.5万円の支払い)
  • 家賃5万(築45年、木造アパート、浴槽なしシャワー・トイレ別。)

これが税金などの天引き以外の大きな固定費です。これに食費・光熱費などの変動費が乗ってきますが、大体月20万ほどあれば生活できる状況ではありました。

ちなみに、外食多めな上技術書大量に買いまくっていたので変動費は人より多い自覚はありましたが、当時は帳簿をつけていなかったので正確な数字はわからないです。

車・住宅などのローンの支払は一切ありませんでした。

やはり家賃を抑えておいたのが大きかったと思っています。周りからは「人の住むところじゃない」とか散々言われましたが慣れるそれほど気になりませんでした。

「会社員の三倍稼げ」とはよく言われますが、実際に三倍稼げないと赤字に転落するわけではないです。(なお、仕入れを要するビジネスの場合は仕入原価がかかってくるので「三倍稼げ」はある程度正しい)

「生命を維持するために必要な金額」と「これくらいは稼ぎたい!」という金額は切り分けて別途に目標設定しておくと捗ると思います。

当初の仕事の取り方

フリーランスエンジニアの案件を紹介してくれるエージェントに登録して仕事を取っていました。

実を言うと仕事を辞める時点ではまだ契約書を交わしていなかったので案件に参画することが確定ではなかったのですが、紹介される案件の量・単価を見るにここでまさかの失注が来てもなんとかできるだろう、というかなんとかする、と考えていました。

経理の知識はどれほど必要か?

「個人事業主って帳簿自分でつけなきゃいけないんでしょう?大変じゃない?」と言われることがよくあります。

では、どの程度のことを理解していればよいのか?

簿記三級レベルの内容をざっと理解していれば十分。最低限買ったものの領収書の仕分けができることが必要。

PL/BSなどの作成は会計ソフトに任せる運用でも良いと思います。(読めたほうがよいことに変わりはないが、読めないと死ぬわけではない)

ものぐさなもので、領収書をまとめる作業が面倒だと感じることはありますが、決して難易度は高くない作業のように思います。

状況は改善されたか?

結果として稼働時間が会社員自体より抑えることができ、単価自体も上げることができました。

「喫緊今おかれた状況を改善したい」という考えより、「これから何をやりたいか」「このシステム・事業はどうあるべきか?」という考えをする時間のほう長くなったので、これが一番の収穫であったと思います。

税金などの支払い

「個人事業主になると会社が払ってくれたものを払わないといけないから税金が倍になる!」という意見をネット上でも聞くことがあるがこれはやや言い過ぎです。

所得税

所得税は個人事業主・会社員関係なく所得に対して支払う必要があるので、独立したからといって支払いは増減されません。

会社員には「給与所得控除」というものがありますが、個人事業主にも青色申告をすれば「青色申告特別控除」があるので、きちんと青色申告をする前提において所得税は急減に増減することはないです。

住民税

住民税は個人事業主・会社員関係ないので、独立したからといって支払いが増減することはありません。

ただし、前年の所得に対して支払う必要があるので手元のキャッシュはこれの支払いを前提として多めに残しておいたほうが安心感があります。

消費税

年商1000万を越えた年の2年後から消費税の支払いが「売上に対して」かかります。

これは会社員の場合には発生しなかった支払いですが、年商1000万を越えない場合は課税されません。

なので、1000万を越えないように稼働を調節するか、法人化してさらに2期の消費税免税措置を受けるか、受け入れて支払うかの対応をすることになります。

が、ある程度売上が立っている場合に対応を考えるべき性質のものなので、独立当初は(頭に入れてはいましたが)特に問題になることはありませんでした。

個人事業税

利益が295万を越えた場合に利益の5%課税されます。

が、これも売上が立ってからそろばんを弾けばいいので特に考えませんでした。

健康保険料

会社の加入している健康保険(半分を会社が負担)から国民健康保険(全額自己負担)になるので、支払いが二倍になります。

また、それぞれの健康保険独自の福利厚生制度(レジャー施設などが一般的でしょうか?)が利用できなくなりますが、そもそも別に使っていないので問題とは感じませんでした。

保険適用の医療は国民健康保険でも支払いは増減しません。

年金

厚生年金から国民年金に切り替えられるので、月々の保険料は半分程度に下がります。

年金が国民年金となるので将来の受取額は確かに下がってしまいますが、どうせ支払われるかどうかも怪しい上、満額支払われたとしても物価がインフレしていたら意味がないので大した問題にならないと判断しました。

そもそも将来の心配をするのならば、個人事業主にも確定拠出年金や小規模企業共済など税制メリットを活かしつつ老後に備える手段はあるので、それらをしっかり支払っても手元にお金が残るように、今稼ぐことにフォーカスすれば問題ありません。

結果的に、前述の健康保険料の値上がりを相殺する形になるので、全体としての支払額は会社員と変わらないです。

信用面

「個人事業主は信用なくてクレジットカード作れない!引っ越せない!」とはよく言われているかと思います。

これらについて私の対応は以下のとおりです。

クレジットカード

クレジットカードは学生時代に作り、会社員時代に限度額を増やしたものをそのまま使用しました。

また、個人事業主となってから新規でクレジットカードを1枚申請したが問題なく審査通過しました。

ブラックカードなどの「ステータスカード」に拘らず、かつ確定申告をきちんとしていれば個人事業主になってからの申し込みでも通るのかな、とは思います。

もちろん万全を期すならば会社員をやめる前に作っておいたほうが良いと思います。

支出の多いビジネスではないですし、私個人の消費もそれほど多い方ではないと思いますが、1枚もカードを持っていない、あるいは限度額が著しく低いといろいろ面倒です。

賃貸

独立当初は引っ越す予定はなかったので引っ越し・住宅関連で信用面が問題になることはないと判断。(ちなみにこの2年後、法人化してから引っ越しました)

余談ですが、賃貸不動産の担当の方などと話をしていると、個人事業主だと伝えると「…確定申告、してますか?」と訊かれることがよくありました。

確定申告をすることは当たり前の人には当たり前ですが、どうやら世の中はそうは見てくれていないようです。

ですので。確定申告をしっかりすることが最低限の信用を担保するために必要だと感じました。

車・住宅などのローンを組む

また、車や住宅などを当面買う予定はなかったのでローン関連の心配は優先度が低いと判断したので考えませんでした。

そもそも車は資産の買い入れではなく消耗品の購入なのでたとえ必要になってもキャッシュで買うべきだというのが個人的な意見です。資産でないものを借金してレバレッジ効かせて買うべきではありません。

まとめ

以上、私が独立するときに考えたこと、インプットした情報、意思決定について記事を書かせていただきました。

これからフリーランスになろうと考えている人の参考例になれば幸いです。

繰り返しになりますが、これらの情報を鵜呑みにしないで自分の状況に沿った意思決定をしてください。

それは私ではなく、あなた自身しかできないはずです。